人生の幅

投稿日:2012年4月19日

しばらくご無沙汰いたしました。

実りの多い日本での9日間でした。

いろいろな立場にいらっしゃる方々にお会いさせていただき、それぞれの皆様のストーリーを分けていただきました。

現在留学中の生徒たちの親御さん、先生がた、卒業生、卒業生の親御さん、未来の留学希望者。留学ということを通して、いろいろな方々にお目にかかれることはとても幸せなことです。

現在構築中のホームページを作成してくださっているFunward社の代表取締役の新井様とお会いさせていただき、ICET創立当時の経緯にも話が及びました。

高校生との出会い、そして、ICETの創設は、私の運命、生き方を変えました。

それまでの私は、本の虫。本さえ読んでいれば幸せで、メキシコでピラミッドの発掘など試みることもありましたが、本の中に広がる過去の文明を紐解くことがライフ・ワークになると思っていました。実際、それに夢中になっていました。

それが、十代の、これから未来を作ろうとしている若者たちと、そして、その親御さんたちと「留学」というものを通して関わることになり、過去から未来へと、私が見つめる世界は、180度転回してしまいました。これが運命のいたずらというものであれば、私は、そのいたずらに心から感謝します。それ以後の私の人生の豊かさは、それ以前のものに比較して、何十倍、何百倍にも豊かになったからです。

本の中の文明から生きた現代人に。生きた人との出会いは、出会った人の数だけストーリーがあります。幸せなことばかりではなく、心を裂かれるようなことも、頭を抱えたくなるようなことも、胃がキリキリ痛むようなことも、心臓が破裂しそうなこともたくさんあります。解決しなければならない問題や課題もたくさんあります。でも、豊かなのです、そのひとつひとつの出会いが。

そして、豊かになっているのは、私だけではないありません。

このプログラムに関わった一人ひとりがいろいろな形で、人生に豊かさを加えているはずです。

16歳で留学した若者は、違う国に第二のファミリーを持ち、違う国にたくさんの友だちを持ち、多くの体験を通して知識を増やし、技術や能力を磨き、英語を身に付け、自分の世界を大きく広げていきます。16歳のこの体験が、いろいろな色で、形で、その後の人生を彩らないはずがありません。

送り出された親御さんたちは、外国に想いを馳せながらも子どもに負けじと、新しい挑戦を始められたり、世界情勢に今まで以上の関心をもたれたりします。お仕事に没頭される方もおありでしょう。

留学生を受けてくださるオーストラリアのホストファミリーは、毎年新しい体験を積まれます。小さな子どもたちがいるお家では、留学生を受けたことが、後に彼らが留学生として別の国に出ていく素地が養われます。日本でも、留学生を受けてくださったお家の方々は、「人生が広がった」と言ってくださる方々が多いです。

こんなお話があります。あるお家では、次男の留学中に留学生を受けました。その留学生がやがて成長し結婚することになり、そのお家の方々全員がシドニーでの結婚式に招かれました。その時に、お母さんがつくづくと言われていました。「私の人生がここまで豊かになったのは、次男が留学すると決まってからです。それからは、毎年、それまで想像もつかなかったようなことに巡り会い、自分の人生の幅が大きく広がりました」と。

また、別のご家族では、やはり次男(次男が多いのでしょうかしら?)が留学中に、ブラジルからの留学生を受けられました。ブラジルに戻り、ロンドン・オリンピックに柔道の選手として出場することになり、日本の家族全員で、ロンドンに応援に行くんだ、ということ。「人生で、こんな日が来ることがあるなんて、感慨ひとしお」とおっしゃっていました。

シドニーでは、仕事の関係で引っ越されたファミリーが、「その地域に戻るので、ぜひとも、ICETの生徒をホストさせて」と言ってきてくださる例が時々あります。子どもがいるお家では、「子どもの教育になる」「子どもに国際性を家にいて身につけさせることができる」「子どもが日本語を習っているから、日本のことをいろいろ教えて欲しい」といったことが理由になるようです。

留学に関わるすべての人々に豊かなものがもたらされます。

そんなことをいろいろな場面で実感することができた今回の旅でした。

 

 

 

 

 

 

 

コメントをどうぞ

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

URL

ブログトップへ戻る