Maturity
投稿日:2012年5月7日
精神的に大人になる。
3 Maturing emotionally
精神的に大人になる
これが、ICETのプログラムの3番目の目標です。
これは、自己の理解と自立に大きく関係しています。
依存している間は、自立できません。自立できないと、精神的に大人になることができません。
自立の中にはいろいろなことが含まれています。自分の身の回りの物の管理、時間の管理、部屋や持ち物の整頓、連絡事項の伝達、学習に対する基本的な姿勢などがその主なものです。
これができているとこちらでの生活も学習も、すぐに、進歩・成長に向けた入り口のステップに立つことができます。そして、さらに、深いところでの精神的な自立、つまり、自分のアイデンティティの確立につながっていきます。
自分のアイデンティティが確立して初めて、自分はこういう人間になりたい、こう生きたい、だから、こうする、という筋道が見えてきます。
自分のことがきちんとできないと、ひとつひとつ注意され、誰かの世話になり、本人も周りの人々もみな負担を感じることになります。
この状態は、誰にとってもかわいそうです。
生徒は、したいことがあっても壁にぶつかるのは、親のせい、先生のせい、友達のせい、環境のせいだと思っているのに、周りの人々は、あれを直せ、これを直せとうるさく言ってくる。わけがわからない。一人にしておいて欲しい、と思うでしょう。
一方、周りの人々は、その生徒が自立していないために、いろいろなことがスムーズに行かないし、見ていても歯がゆいし、後始末をして歩くのは筋が違うし、なによりも、そのままで行ったら将来困ることになるだろうと思うから、注意せざるを得なくなります。
自立していない生徒には、まだ、自分が自分の行動に責任を持つという「精神的自立」がまだ成り立っていないので、「自分の人生は自分が創るものである」というところに到底およばないのです。
自分の周りにある壁は、自分の行動あるいは行動の欠如の結果であることを認識し始めると大きく前に進みます。自分の行動に責任を持たなければならない、そして、責任を持てる人間は自分だけしかない、という意識が鮮明になってようやく、精神的な自立の道を歩み始めることになるからです。でも、時間がかります。16年間してこなかったことを1年でやろうとするのですから・・・
「親の役目は、子どもを自立に導くことだと信じている」と先日の欄で申しあげました。「思う」ではなく、「信じている」という言葉をあえて使ったのは、ICETのこれまでの歴史の中で、すでに自立している子どもたちと留学してきてから自立するための生活学習をする子どもたちの間には、1年の留学の成果において、そして、英語学習の上において、雲泥の差があることが歴然としているからです。
その差をいやというほど毎年如実に目撃しているので、やはり、自立は、親子の間のものであり、そして、家庭で教えられるべきものだと強く感じるのです。
子どもが自立し、精神的に大人になっていく過程は、親にとっては、嬉しい反面、寂しいものでもあります。頼られていた自分が徐々に必要とされなくなっていく過程は、手の平から砂がサラサラとこぼれ落ちていくように、何か儚い思いを抱かれる方もおありでしょう。
子どもが自立するということも、親が子どもを自立させるということも、両方とも大変なことなのですね。日本全体に子どもを甘やかせる風潮がある中では、余計に大変なことです。
でも、その過程が成功したら、子どもは間違いなくすばらしい大人に成長していきます。そして、強さと熱意と夢と情熱をもって自分の人生を拓いていきます。
マオさんからの投稿がありました。
「オーストラリアに来て約三ヶ月がたちました。Term1の最初は、正直右も左も分からないまま時間だけが過ぎていく感じでした。自分の意見があるのに伝えられないし、正直色んな事に戸惑っていました。それとは逆に、毎日が新しい事だらけで色んな発見もありました。
日本にいては分からない事、現地でしか伝わらない魅力など、全ての事が新鮮で、わたしは今の生活にとても満足しています。
先週からTerm2が始まりました。
少し遅いですが、Term2からconcert band clubに入りました。楽器はpercussion(打楽器)です。
全ての事に自分の力を最大限に発揮できるよう頑張りたいと思います!」 by Mao