太古との出遭い (4)

投稿日:2010年12月28日

 まったく意識になかった想いがけないことが起る時、そして、それが何らかの意味があるものであれば私は、そこに崇高なものを感じます。

 そんな瞬間が何度かこの旅には起きました。

 今度の旅は、自分の実現したいこと、自分ができること、可能性、それにかける情熱など、いろいろなことに思いを巡らすための時間を確保するためのものでした。静かなところ、ということが大事な条件で、景色がいいだろうということは大いに期待していたのですが、まさか、地球や宇宙の太古につながりを感じるような洞窟、岩、海洋、樹木、星空などに巡り会うとは、まったく想像もしていませんでした。

 太古の自然の世界との遭遇は、私の心を激しく揺り動かすものでしたが、その中でも、さらに驚きと感動をもたらしたのが、鳥との遭遇でした。

Splendid Fairy-Wren

  私には、30年来したいことがあり、それができるまでは死ねないと思うほどに、私にとっては大事なことです。それなのに、この30年、それを実現していません。

 自分の中の精神的な中身が総合的にひとつにならないと、それを実現することができず、未だにその状態になっていないことが原因です。ここ数週間、自分の中で熟するものがあることを感じるようになり、そして、この旅で確信に至った朝、私は、大胆なことを声に出しました。

「それをすることで、私の命と精神性は初めてつながる」と。

 その瞬間です。私の前に、すばらしくすてきな青い小さな鳥が舞い降りてきました。手のひらに十分に乗るほどに、小さな鳥です。石のバルコニーに撒いてあった種を食べています。たまたまそばにあったカメラで、その姿を写真に収めることができました。その鳥は、またすぐに飛び去ってしまいました。動作がとても早い鳥でした。

 コテッジには、この地域に生息する鳥の写真と名前が壁に貼ってあるので、すぐに名前がわかりました。なんと、その名も、Splendid Fairy-Wren。まさにおとぎ話に出てくるような鮮やかな色の鳥で、この名前から、私は、この鳥が、私の想いに対する「大丈夫。実現できる。実現しなさい。」という天界のメッセージだったのだと受け止めました。

 鳥は、自由の象徴であり、天界と地上を結ぶメッセンジャーです。幸せを追うチルチルミチルの青い鳥に象徴される話や、アステカやマヤの天と地の結合である羽毛を付けた蛇ケツァルコアトル、エジプトの霊魂バーなど、鳥が人々の霊を天に届けるものである例は古代文明や宗教の中にたくさん見出すことができます。

 ブルーは、高い位の色とされて尊重されています。ブルーリボン賞、ブルーチップの会社など、信頼のある最高のものとしてのシンボルです。

 そんな、青い鳥が、私のすぐそばに、それも、ここ30年に自分が思いつかなかったことを口にした瞬間に・・・ これに、意味がないはずがありません。

 2日目の朝のこのできごと以来、その後、この鳥が姿を見せることはありませんでした。もう一度見たいと願っていた最後の日の夕方、私は、数年前に他界した母の話しをたまたま始めました。その瞬間です。どこからともなく、この青い鳥が飛んできて、テーブルの下にもぐり、私のすぐ足元まで来たのです。ほとんど触れるほど近くに来て、そして、去っていきました。

 それが、母の訪問であり、母も応援していてくれることを確信する瞬間でした。

 Wrenという鳥のことを調べてみました。ミソサザイと日本語ではいうようです。「Animal Dreaming]という本には、この鳥の別名は、「大望」。大胆なことを口にした瞬間に、この鳥が来たのは、やはり、意味があったのです。

 西洋の寓話の中では、精神的な強さ、知性、がまん強さ、野心、勇敢さ、目標を達成するためのぐらつくことのない信念、などを象徴する鳥だということです。また、西洋にとっては、この鳥は、東洋の光明、洞察、知性、そして、「知る」能力を照らす灯りなのだそうです。

                  インド洋に沈む太陽を眺め、5日間の滞在が終わりました。

 と、ここで結びにしたいのですが、まだもうひとつ不思議な現象があったのです。

 翌日、Margaret RiverからPerthまでの300キロのドライブ。雲ひとつない青空に、ぽっかりと白い半月が浮かび、なんと、3時間以上も月が空から消えないのです。そんな現象に出遭ったことがありません。

 それが何を意味するのかはわかりません。でも、そんな優しい月に、感謝するしかありません。                                                  

コメントをどうぞ

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

URL

ブログトップへ戻る