夢を乗せて

投稿日:2010年5月27日

「留学の日々をなつかしく思い、ICETのウエッブサイトを開けたら新しいものになっていて、嬉しくなって早速と近況のご報告を」というメールが飛び込んできました。この卒業生の近況は、快諾を得ましたので別途ウエッブ上で公開させていただきます。先日、10年生の生徒たちが訪問させていただいたModel Farms High Schoolの日本語の先生Hermanさんも、「ICETのサイト、大好きです。日本語の勉強ためにこれから読んでいきます」と連絡をくださいました。この新しいウエッブサイトが、読んでくださる皆様の心に何かわくわくするようなものを伝えられる場になりそうな予兆が早くも出てきました。嬉しいことです。制作者の新沼さん、宮島さんも、喜んでくださっていることでしょう。このサイトに来たら、心がやすまり、新しいときめきが得られ、明日への新鮮なエネルギーが沸いてくるような、そんな場を皆様とご一緒に作れることを願っています。

MacKillop College卒業生(2001年ー2005年)へのメッセージがあります。5年間MacKillopで教えてくださったMrs. Gibsonからです。ギブソン先生は高校生の頃からずっとフライト・アテンダントになりたいという夢を持っておられました。でも、英語の先生として活躍される機会のほうが先にあり、ESLの先生としてインドネシアやオーストラリアで長年教えてこられました。スワンヒルを去られるにあたりICETを退職され、どういう人生を歩むかを再び考えた時に再燃してきたのが、高校生の頃の夢だったということです。そこで、ギブソン先生は一念発起され、その夢を実現するための新たな道を選択する勇気を持たれました。Jet Starに入社し、ここ数年は、Qantasのフライト・アテンダントとして人生を楽しまれています。先週シドニーでの研修の合間を縫って逢いに来てくださいました。Mrs. Gibsonは、こう言われていました。「仕事の条件は極めて悪いけれど、でも、自分が本当にしたいと願っていたことを実現したことで、今の私は、自分の前に何がきても、苦しいたたかいではなく楽しい挑戦と観ることができるようになった。夢の実現後に待っていたのは、それに向けてのどんな苦労にもあたいするすばらしいものだった。自分を恐れる必要がなくなった。これから、どんなことが待っているのか、本当に楽しみ。だから、留学した生徒たちにも、夢に向かって自己実現を図るよう伝えて欲しい」と。先生の今後の勤務地は、生地ロンドンで、そこからシンガポールやマレーシアに向けてほぼ毎週飛ぶことになるのだそうです。夢を実現したことで、イギリスに戻ることが嬉しく感じられると、先生のお顔は輝いていました。皆さんへのメッセージを残して、未来へのさらなる夢を乗せた先生の飛行機はシドニーを発っていきました。

~ Unity ~   “Living as One with our Global Family”

今週生徒たちが引いてきた言葉は、Unityです。とても難しい概念であり、そして、実践も簡単ではありません。Unityの意味するところは、ひとつのまとまり、つながり、絆、チームワークというような感じでしょうか。ゴツゴツとした違和感がなく、互いの存在を尊重できる融合体とでもいったらいいでしょうか。先週の「Respectの上に成り立つもの」だと、生徒の一人が言いました。Unityは、親子、家族、友達、クラスといった小さな単位から始まります。それが大きな輪として広がれば、ここでの65億人のGlogal Familyとつながっていきます。その実現を可能とするためにわれわれが日々実践できることとして、生徒たちからたくさんの意見が出されました。「誰かがしなければならならことなら自分が進んでして、他の人に余裕を与える」「応援する」「どんな人からも学ぶことがありそれに素直に耳を傾ければ自分も大きくなる」「自分の意見は人のためにもきちんと伝える」「人のいいところを見つけ尊重する」「人とのかかわりを積極的に持つ」「みんなで協力する」「参加し自分も貢献する」、そうしたことが、unityにつながっていく、と。自分と人とのunityは、自分の隣にいる人から始まるものなのだろうと私は思います。

Unityは、人との間だけのことではありません。自分の心や考えの中にも必要とされます。心の葛藤があると、私たちは落ち着きを失い、心はザワザワ、イライラ、そして、ギスギスしたものになります。現実と自分の理想や願いが食い違がえば食い違うほど、ストレスに支配されることになります。心の中にunityがあれば、心は穏やかであり、活力に満ちた良いエネルギーを生み出すことができます。ギブソン先生も夢を果たすことで、心の中にいろいろな意味で、このunityを得られたのでしょう。

留学生活を送る生徒たちは、たくさんの問題に直面します。一番大きなもののひとつは、この留学が未来にどう活きるのか、この体験を未来にどう活かせばいいのか、未来に何が待っているのだろう、(大変な投資をしてくださっているご両親に)どう恩返しすればいいのだろう、という疑問に答えを出すことです。普段一生懸命がんばっている中で、ふとした折にこうした疑問が持ち上がってくると、生徒の心のunityは一挙に脆いものとなります。明確な答えが無いからです。未来は、あくまでも現在から思い描く想像の世界であり、そこには現実がありません。現実をどう未来像に投影するかで、未来に対する思いは不安になったり、自信が持てるものになったりします。では、それにどう対応すればいいのかということになるのですが、一番の良い方法は、いろいろな人と話をしてみることです。卒業生であり、日本のご家族であり、たくさんの先輩たちであり、先生たちであり、友達であり、そうしたコミュニケーションの中に、その時々に求めるなんらかの答えのヒントが見つかるのではないでしょうか。ここにも、人とのunityを作るきっかけと結びつきがあり、そして、そのunityが自分の心の中のunityを作り出すように思えます。そして、もうひとつできることは、今のこの瞬間を最善のものとすることが良い未来への道になるという意識を持ち、それに行動を伴わせることが心と行動のunityをもたらすものになるのだろうし、現在と未来の夢への架け橋にもなるのでしょう。

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