気を散らす
投稿日:2012年8月8日
先日、ハタと思いあたることがありました。
人それぞれ、分野によって頭の良さは違います。発揮される場も発揮される時も、様々に違い、一概に頭の良さを判断することはできません。でも、学校の勉強ができるできないというのは、頭の良さと関係なく、集中力の問題ではないか、とここ最近思うようになってきました。
それを思うようになってから思い出したのが、ブルームの分類法です。オーストラリアの教育論の中には、アメリカの心理学者ブルームによる分類法(Bloom Taxonomy)の理論が比較的広く普及しています。
人間が学習していくためには、6つのステップを踏んでいくというものです。
ステップ1 記憶 (思い出すことができる。意識する、認識する、それが何であるかを知る、名前を持たせる)
ステップ2 理解 (説明や描写ができる。解釈する、明確にする、分類する、例を挙げる)
ステップ3 応用 (使うことができる。実行する、履行する、あてはめる、実例や比較を使って説明する)
ステップ4 分析 (違いを特定することができる。区別する、選択する、解体する、因果関係を見る)
ステップ5 評価 (正しいと判断できる。検査する、判断する、発見する、違いに気付く、監視する)
ステップ6 創造・考案 (新しく創り出す。仮定を立てる、発生させる、構造・システム・方法を作り出す)
この段階を通り繰り返しながら、徐々に中身を複雑に幅広くしていくということです。(因みに私は、ステップ5までは、頷けるのですが、ステップ6のひらめきや発想は、ステップ2あたりから起こり始めるものではないかと考えます。)
なぜこれを思い出したかというと、気を散らすということは、実は、このステップ1に大きく影響するのではないかと思ったからです。そうだとすれば、気を散らすということは、学習の最初の段階ですでに大きな支障を来たしてしまうということになります。
小 学校や中学校で、学習がわからなくなったり、落ちこぼれになったりしてしまう子どもたちは、もしかしたら、こんなところに原因があるのでは、と思います。 テレビゲームには夢中になっても、そのほかのことに注意を払うということをしなかったり、学校の学習を疎かにした場合には、集中して認識して覚える知識と して積み上げるという過程に損傷が起こります。
バケツに水を入れるとします。1分で一杯になるバケツでも、ホースをあちらに向け、こちらに 向けて、水を放散していれば、バケツは5分経っても10分経っても満杯にはなりません。1分で満たす子と10分かかっても満たせない子の間には、とてつも なく大きな差が出てしまいます。同じ能力を持っていたとしたら、なんともったいないことでしょう。
学生の知識が穴だらけだと日本の大学が学力低下を嘆いています。それも、もしかしたら、子どもたちに集中力が欠けていた結果ではないか・・・
子どもたちに集中力を付けたら目に見える進歩を示すようになるのではないか、ということで、今週からその訓練を放課後に始めることにしました。ほんのわずか意識を発動させることで、結果は大きく違ってくることは間違いないでしょう。