問題の表と裏

投稿日:2012年9月17日

テレビのニュースには、暴徒化した人々の映像が多くなってきています。

中国からは、日本の大使館や店を襲撃する光景が映ります。

アメリカ人の一個人が制作しUTubeに流したビデオが、預言者モハメッドとイスラム教を愚弄するものだとして過激派の回教徒の人々による反米抗議デモが、エジプト、イエメン、チュニジア、シリア、リビア、モロッコ、イラン、イラク、そして、インドネシアにと徐々に広がり、シドニーでも200人ほどの人々が土曜日に警官と小競り合いを起こしました。

市民レベルでは、学校においても地域社会においても、日本人、韓国人、中国人、レバノン人、イラク人、インド人、ベトナム人など人種の区別なくみな仲良く一緒に学習し暮らしているのに、一旦、文化の違いが強調されたり、国家の主権に関わる問題が起きると、人間は、途端に壁を築きます。国家というものは、面倒なものです。

今日、CAPDの9年生の授業で過去数週間準備をしてきたMDGのプレセンテーションをしました。貧困の撲滅、乳幼児の死亡率の減少、女性の地位の向上、初等教育の普及、母体の安全と健康、AIDS やHIVなどの感染病の撲滅、地球環境の保全など発展途上国における問題について話し合いました。

自分たちでリサーチして、これまで知らなかった世界があることを、そして、それが、地球のむしろ大多数を占める人々の問題であることを初めてしっかりと認識した生徒たちも少なくありません。こうした問題には、国家などというものは存在せず、問題の根源においても、また、問題解決の上においても、先進国と発展途上国との複雑な絡み合いがあり、これらの問題は、地球全部を脅かす問題です。

今、世界で起こっているデモや紛争を眺めると、貧困や搾取や格差がその根本理由であり、どのような社会・政治・経済現象でも、きっかけさえあれば、彼らの不満には簡単に火が付くことがよくわかります。こうしたいろいろな世界情勢を踏まえ、発展途上国の問題を話し合う生徒たちの言葉には熱がこもり、目には真剣な光が見えました。

放課後は、明日発表を控えた生徒たちが、リサーチと制作に熱心に取り組んでいました。

今度のプレセンテーションは、リサーチの発表だけでなく、他の生徒たちに自分が調べ理解したことを教えるというひとつ上の段階の応用が入っています。今日の発表は真剣でもあり、熱心さに溢れるものでした。

明日の発表が楽しみです。

 

 

 

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