留学事前面談
投稿日:2012年9月25日
今週から、日本での留学事前面談が始まりました。
来年度ICETに留学することを希望している生徒たちと親御さんに、毎年この時期に面談を持たせていただいています。ICETの年中行事の中に大きなできごとのひとつです。
ICETは、1年間外国に住む高校生の福利に関して全面的な責任を持っています。その責務を十分に果たすためには、事前の準備が必要です。準備がしっかりしていればいるほど、その後に続くもののクオリティを高くすることができます。
ICETに留学してくる生徒たちは、1年間オーストラリアの家庭でお世話になります。そこでの生活の安定は、そのまま学習の安定に繋がります。ホストファミリーとの生活が上手に行くことが、留学生活の成功を決定付けるものとなります。人間関係においても、心の安定においても、英語力向上の上においても。
ホストファミリーとの生活は留学の基盤です。
ICETのホストファミリーの中には、もう10年以上毎年生徒を受けてくださっているお家が何軒もあります。何らかの事情が発生して、今年はダメというようなことが起こっても、また、戻ってきてくださることが多々あります。それは、お世話になった生徒がとても良い絆を築いたことの証明であり、また、ICETのプログラムへの支援の表れでもあります。
去年は良かったのに今年はうまく行かないとか、去年は難しかったけれど今年は本当にすばらしいというように、同じファミリーでも生徒が違うと状況が違うということはよく起こります。マッチングのズレです。性格や考え方や価値観や生活のリズムの相違が起こると、ギスギスが起こるのは人間であれば当たり前のことです。
それをできるだけ避けるために、マッチングは極めて慎重に行われます。ホームステイ・コーディネーターの梅井が生徒と親御さんに毎年事前にお会いし、様々な角度からのお話を伺います。梅井は、年間を通して、ホストファミリーとしてふさわしい家庭を探しています。訪問し、ICETの教育内容やホストファミリーに求めることをお話し、部屋を借りるのではなく、家族として受け入れていただくことをしっかりと確認しておきます。
面談では、生徒の希望を聞き、豪に帰国後、マッチングが始まります。私は、ICETの責任者として、このプログラムに関して誇れることがたくさんあるのですが、このマッチングにかける努力と熱意と配慮は、その最たるもののひとつです。
マッチングは、10月の半ばから12月の中ごろまで続きます。生徒の希望、家族構成、オーストラリアで達成したいこと、オーストラリアでしてみたいこと、趣味、性格、食べ物の好き嫌い、自立度、動物アレルギーなど、様々な要素をホストファミリー側の様々な要素と照らし合わせ、一人ひとりの生徒にベストの環境を選んでいきます。すべての条件がピッタリと合うと喜んでも、猫アレルギーがあるために、振り出しに戻るということもあります。あるいは、希望に適わないという場合には、新たにホストファミリーを募集することもあります。
そうした、2ヶ月にわたるマッチングの過程を通って、生徒とファミリーとの組み合わせが決まります。お互い人間ですので、紙の上では最高と見えても、一緒に暮らしてみたらどうもギクシャクするということもあります。その際には、しばらく慣れるまでの努力をしてみたり、場合によってはホストチェンジをしたりと、来る前には見えなかったことが起こればそれなりの対処が必要となります。
でも、このマッチングが上手に行く確立が極めて高いのです、毎年。それは、偏に、コーディネーターの普段から細かい配慮と長年の経験からの鋭い勘によるものです。
ここ数年は、教頭のMr. Mannigが面接のために日本を訪問しています。Mr. Manningは、日本で数年暮らしたことがあり、日本のことについて知識を持つだけでなく、日本が大好きです。彼は、外国人に英語を教えることを大学で専門に勉強しています。オーストラリアは移民の多い国で、移民してきた人々ができるだけ早い段階で英語で学習することができ、英語で就業できるよう、英語を母国語としない人々のための英語教育に力を入れています。その教授法や教材や人材の養成は、世界一を誇っています。イギリス、カナダも、同様に、この面に力を入れています。
そうした地盤で教育された人材や教材開発の恩恵をICETも当然受けています。Mr. Mannigは、IELTSというイギリスのケンブリッジ大学で考案され現在は世界120国に普及している英語の国際テストの審査員の資格を持っています。客観的に特定の判断基準に沿って生徒の英語力を見ることができます。面接で、生徒の英語力を判断し、翌年の生徒のレベルに合わせた教育を考えます。
留学してくる生徒たちの英語力が高ければ高いほど、留学中の恩恵が大きくなることは言うまでもありません。ICETに留学してくる生徒の多くは、留学するとわかって高校に入ってくるのですから、英語力を付けることに特別の努力を事前にすることは当たり前のことです。
来年度は、ICETにとっては、この面談から始まります。1月を多いに楽しみにしながら、英語力をできるだけ付けてきてください。