ジャカランダの季節

投稿日:2012年11月4日

メキシコに暮らしている時に、とても好きな花がありました。

ハカランダという薄紫のとてもかわいい花です。樹木は大きく成長するのですが、花は、すずらんをさかさまにしたような格好をしています。6月末から7月初めにかけて、町全体が薄紫に包まれます。夜明けの道は、散った花びらでまるで紫のじゅうたんを敷いたようになることもあります。

オーストラリアに来たときに、ある朝、町の至るところにこの花を見出した時には、なつかしさで涙がこぼれるほどに感動しました。そして、11月に入った今、どこに行っても、緑の中に、この薄紫の花が見える季節になりました。当時は、この花の美しさにただ見惚れ、中南米に想いを馳せていただけのことだったのですが、いつの間にか、その花がとても特別な意味を持つようになりました。

 

英語名ではジャカランダというこの花が咲く頃になると、1年間を一緒に過ごした生徒たちとの別れがじきに来るのです。生徒にも、ホストファミリーにも、私たちにも、心に複雑な想いが錯綜する季節です。

先日来、個人面談を始めました。あとの5週間をどう過ごすかは、留学の成果に、そして、それ以後の学習成果や精神生活に致命的な重要さを持ちます。

 この9ヶ月にいろいろなことを考え、視野を広げ、英語力を伸ばしてきました。最初来た頃は、言われていることもよくわからない、会話など望むべくもなかった状態だったのが、今は、言われることのほとんどを聞き取ることができ、言いたいこともかなり流暢に言えるようになってきています。

その状態になった時に、24時間英語付けの状態に自分を押し込み、使って使って使うことができれば、円錐形をさかさまにした勢いで力を一挙に広げていくことができます。それができれば、自分の努力と達成に十分に満足し、すばらしい自信を持って帰国の途につくことができます。その自信は、来年の受験を切り抜けるための大きな糧となります。

残りの時間を無為に過ごしてしまうのとは大違いです。面談はその姿勢を明確にすることを意図したものでした。

面談をしてみて本当に驚きました。よく話すのです、生徒たちが。自分がこの1年で学んだこと、日本との文化や価値観の違い、教育システムの比較、教育の内容の重要性の置かれているところの違い、日本で見た日本と異国から見た日本の違い、自分の変化等など、本当によく語ってくれるのです。

日本にいた時に自分が持っていた価値観や信念を側面から見たら、また、違う価値観との比較してみると以前とは少し違って見えて来たことに大いなるそして深い哲学的な問いかけや考察をしている若者たちもいます。

若者たちは、こんなにも真剣に、そして、こんなにいろいろなことを考えているのだ、と感動しています。面談はまだ始まったばかりですが、若者たちが惜しみなく自分たちの考えや想いを分かち合ってくれることに深い感謝もしています。

 

 

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