若い国の力

投稿日:2012年11月5日

時代の移り変わりというのは、意外に早いスピードで動いていくように感じられます。

インターネットやiPhoneなどのテクノロジーの面は恐ろしいスピードで変化していきますが、国力の盛衰も10年から20年の間にかなり明白に見えるものであることを実感しています。

先日、オーストラリアの連邦政府が、今世紀はアジアの世紀だと宣言し、それに関する白書が出てきました。

たまたま中国に出張中の前首相ケビン・ラッド氏の談話が報道されました。

「オーストラリアのトップ100の企業が、中国語、日本語、あるいはヒンズー語の成績の良い学生上位10人を雇用するというビジネス方針を出せばいい。それだけで、アジアの言語に精通したビジネスマンが1000人出る。若者は、そういう政策に絶対に呼応するよ。」

まあ、なんと豪快な物事の運びを考えるのでしょう。ラッド氏は、中国語を流暢に使います。極めて親中派であることは当然のことでしょう。

今、日本のオーストラリア大使のミラー氏。この方は、日本語がとても流暢だということです。やはり、言語に精通するということは、言語だけでなく、その言語を持つ国の文化に精通して始めて言語も本当の流暢さを持つものなのでしょう。

留学してきている生徒たちが英語をしっかりと身につけるということは、英語という言語を習得するだけでなく、オーストラリアという国を創り上げている人々との交流、その人々の歴史的背景、総合として作りだす文化を吸収して初めて、英語という言語を使いこなせることになります。教科書で習う言語ではなく、実際の交流から汲み取る言語学習であることに、留学の意味があるわけです。

だからこそ、1年間お世話になっているホストファミリーとの生活は、その言語習得の基盤となるものです。

 「英語を使う職業に就きたい」と、生徒たちがよく口にします。これに対する私のアドバイスは次のようなものです。「英語を使う職業を探すのではなく、自分が本当にしたいことを探しなさい。自分が全身全霊でのめり込める職業に進んだらいい。英語はただの道具。だから、英語という道具を持っていたら、自分が進んでいるその道において選択肢や可能性が大きく広がる。」というものです。

 これは、卒業生の生き方を見ていて言えることです。まずは、自分の人生の最も大切な「生き方」を模索することで、英語を使うことは二の次のことです。でも、そこで日英というふたつの言語を持っていることによって、選択の幅や生きる場所の選択が無限に広がります。いざという時のために、留学というこのすばらしい機会をフルに活かし、自分の蓄えをいっぱい増やしておきましょう。

みなさんは、オーストラリアの国のように若いのです。大きな志を持ち、挑戦し、大胆に行動し、弾力と活力に満ちた若者らしく自分の道を切り拓いていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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