学びはすべての人々に
投稿日:2012年12月12日
今日は、12年12月12日。今日の、12時12分12秒に、この数字が並ぶ特別な時間に生を受けていることに感謝し、世界の平和を祈り、そして、個々の新しい世界に飛び出る夢と決意を新たにしましょう。
ひとつの幕が閉じ、また、新たに幕があがります。
留学は、ひとつの筋書きの無い芝居を演じることに似ています。
1年という期間が決まっているので、確実に終わりが来ることはわかっています。
舞台が、オーストラリア、シドニーということも決まっています。
でも、舞台の上に登場してくる人々については何もわかっていません。一緒に留学するお友達がいるケースもありましょう。でも、そのお友達が舞台の上でどんな演技を演じるかは皆目わかりません。なぜなら、生徒一人ひとりが自分自身がまだどんな演技を演じるのかわかっていないからです。自分のことがわからないのに、人のことなどわかろうはずもありません。
その舞台には、たくさんの新しい人々が登場してきます。大道具(住む場所、環境、生活様式、キャンパスなど)も、小道具(生活習慣、食べ物、学習内容、学習方法など)も、今まであなたが使ったことのない道具ばかりです。
当然のことながら、最初は、新しいものとの出会い、興味と発見の喜びに満ちた新鮮なときめきと、今まで知っているやり方が時が通用しない戸惑いやもどかしさが同時進行します。一人一人の新しい人々との出会い、ひとつひとつの新しい物・やり方との遭遇があるたびに、思考も感情も上に下に、左右に、大きく揺れます。
1年間、毎日感動の連続で過ごす生徒がいます。一方で、こんなはずではなかったといろいろと思い悩み、それを吹っ切るまでにかなりの時間を必要とする生徒もいます。毎年のことです。
違いは、ひとつです。今まで学んできたこと、知っていることに固執するかしないか、それだけです。
私たちは、みな、昨日までに積んだ記憶や知識や技能に頼って今日の日を迎えます。その積み上げが多いだけでなく、それを上手に使いこなすことができればできるほど、今日の生活は容易となり、快適であり、そして、今日得るものをさらに取り入れていく用意と余裕があります。逆に、昨日までの人生体験が少ない上に、応用方法がよくわからないとなると、新しい体験に遭遇するときには、戸惑いが多くなってしまいます。
「えっ、私は大丈夫だろうか」と心配になってきましたか? 心配しなくて大丈夫です。なぜならば、留学は、誰にとっても新しい遭遇に満ちたものです。その際に必要なのは、「ここは、外国。日本ではない。すべてのことが日本と違って当たり前。その違いを体験するために留学を決めたのではないか。オープン・マインドでぶち当たればいいのだ」という心構えです。
違う=怖い。違う=嫌い。知らない人・物=ならば避けたい。新しい人=面倒。
という心や頭の構図をもって臨むのと、
違う=発見。違う=おもしろい。知らない人・物=自分の世界を広げる絶好の機会。新しい体験=自分を豊かにするもの。
という構図で臨むのでは、自分の物語の作り方に大きな違いが出てきます。
最初から、オーストラリアの生活に構えることなく飛び込む人。構えを外すまでに長い時間かかる人。みな、それぞれです。
でも、大事なことは、舞台の上で学ぶのは、生徒だけではない、ということです。生徒を受けてくださるホストファミリーという新しい家族の全員が、日本で応援していてくださるご家族が、留学生と関わる先生たち全員が、留学生を囲む現地の生徒たちが、みな、学習をしていくのだということをしっかりと理解しておくことが大事です。誰にとっても、新しい舞台なのです。誰にとっても、新しいお芝居の始まりなのです。
怖がることはまった要りません。しっかりと守られています。失敗なんてないのです。何をしてもそこから学べます、「学ぶ」という姿勢を持ってさえいれば。そして、留学のすべてが学びなのです。1瞬1瞬に学びが詰まっています。それを構えずに受け止めることが、留学の成果を大きくします。人生を豊かにします。
12年12月12日という特別な日に、次の1年間に向けての学習をスタートしましょう。
帰国した生徒たちは、地球上のまた別なところで。
来年度にシドニーの舞台で一緒にお芝居に参加する生徒たちと保護者の皆様と、そして、この地でがんばっている11年生と12年生の生徒たちと保護者の皆様と、ご一緒に学習していける機会に恵まれていることを光栄に想い、それに感謝し、これから始まる新しいお芝居の開幕をとても心待ちしている今この瞬間です。