目的地のある旅、ない旅
投稿日:2013年6月23日
今晩は、山羊座の満月、そして、スーパームーン。
煌煌と水平線から上がってくるはずなのに、空には全体を覆う雲と、そこから落ちてくるしずくのみ。昨夜からずっと雨が続いています。
それでも、時折途絶えて、その間に虹が見えたり、空模様は、忙しいです。
あああ、明日のForumは、この雨から逃れることはできないようです。屋内で忙しいので、実質的な活動に影響はないのですが、それでも、青空が見えるのにこしたことはありません。特に、森林のど真ん中なので、快適な散歩もできるところです。
まあ、閉じ込められて、より一層密度の高い討議と友情が生まれることを期待しましょう。
山羊座と言えば、着実、堅実、しっかりと道を切り拓いていくイメージですが、今晩の満月、しっかりと方向性を形付けていくのに絶好の機会です。
皆さんは、旅をするのに、地図があり、目的地が決まった旅を好みますか。それとも、行く先々でなりゆきに任せる旅を好みますか? 状況によるかもしれませんね。また、旅の目的そのものが何であるかによっても違ってくるかもしれません。
旅の日程がしっかりと決まっていなければ落ち着かない人。そんな日程を立てたら縛られると感じる人。パーソナリティ・タイプによっても大きく異なります。
さて、その旅が人生の旅であったらどうでしょう?
人生の設計図を80歳くらいまでしっかりと描いている生徒が時折います。一方、5年後なんてさっぱりわからない、来年のことすらわからないという生徒もいます。
自分が望む人生を創り出すために設計図を描くのか、それとも、なりゆきに任せて人生を送るのか、どちらがいいとは言い切れません。ひとつだけ言えることは、どのどちらであっても、人生の節目があり、その節目では、重要な方向性が決定されるということです。
今、3年生の生徒たちは、その節目にあります。今年の後半に大学進学を控え、何を勉強するのか、どこで勉強するのか、その勉強は一体何のためのものなのか(人生の先の方向性をある程度明瞭にするものです)、といったことを探り、決定しなければなりません。
わからないから何も決定を急がず、大学を知名度で選び、大学にいる間に、ゆっくりと決めればいいのでは、という考え方もあります。これは、自立の時期が延び、親のすねをかじる身でいられる青年モラトリアムの期間が長くなったことによるものです。昔は、武士なら15歳で元服。社会における責任を担い、平民ならば、家の手伝いはもちろん、仕事に就いてお金を稼ぐことが当たり前でした。
現在は、親のすねをかじることは、親が許す限り、また、経済に余裕がある限り、続けられることが稀ではなくなってきています。そんな中で、若者の中に、自立に向けての意欲や焦りが失せていっても不思議はありません。また、小さな頃から、すべて親に決めてもらい、親の決定に従い続けている若者は、自分の判断だけでは、何を選んでいいのかよくわからないということが起こります。親の決めたことであれば、自分に責任結果はないので、そのほうがらくということもありましょう。
留学している生徒たちのひとつの大きな学習は、「自分で選択する」ということです。日常の小さな行動から未来の目標まで、その幅は大きく決定の内容は様々ですが、そのひとつひとつを自分で選択します。選択するということは、その前に、その選択に至る過程があります。そして、選択した後には、その結果に対する自己責任がついてきます。つまり、自分が何を欲しているのかを明確に理解し、自分の考えを明瞭にし、社会のどこに位置するかをしっかりと見極め、現実を把握し、結果を出すための努力をしなければなりません。大変なことなのです。
今夜の山羊座の満月、そして、スーパームーンのように自然界がそういう機会を与えてくれる際には、3年生だけでなく、誰もが、自分の進む道の方向性についてしっかりと考えてみることはとても大事ではないでしょうか?