目的をもった人生
投稿日:2013年8月13日
Day of Hopeのセッションの続きです。
あてのない人生の旅をするのか。それとも、目的を持った人生の旅をするのか?
Who am I?
Why am I here?
Where am I going?
この問いにまず答えて欲しい、というところからセッションは始まりました。
ICETの生徒たちにとっては、この問いは、目新しいものではありません。なぜなら、留学をしていることで、この3つの問いに常に向かい合う生活を強いられるからです。留学の1年を通して、この年齢で、自分が誰かをつかみ取るところができたら上出来です。
日本で家族に囲まれ何不自由なく甘えて過ごしていた時には、恐らく考えたこともなかった質問でしょう。
ゲリン氏は、欧米社会における60年代から今に至る社会風潮を取り上げていきました。
60年代は、ルーサーキング氏に代表されるような市民権運動が台頭した時。ビートルズが世に出てきて、人間が月に着陸し、世界の気分が高揚していた。
70年代は、価値観の推移が起こった時。アメリカンドリームが象徴する愛に満ちた幸せな家族像。そこから、もっと個人の自由な生活様式を求めるようになった。
80年代は、否定の時。エイズが蔓延し始め、メキシコ湾に大量の原油が流れ、ファッションがそれまでとは違う自由を感じさせ始めた頃。
90年代は、希望を失い始めた時。リバー・フェニックスやカート・コーベインのような若者たちの心を掴む著名なシンガーたちのドラッグによる死亡。コロンバン・ハイスクールの大量殺人など、社会の歪や闇の部分が鮮明になってきた。
2000年代、世界が再び地獄を見始めた時。世界貿易センターの多発テロ、バリ島の爆破事件、ベスランの小学校での人質大量殺人、アチェの大津波を始め、ハリケーン、地震、洪水、山火事などの自然災害。世界を震撼とさせる事件の連続。
人々は、希望を失い、人生の意味を見出せなくなり、心の虚しさが募り、うつ病などの精神的な病いを患う人々が増えてきた。
ビジョンもなければ方向性もなく、それ故に虚無感を満たす瞬時の快楽を求めるようになる。自分の中身がなければ、外に満たすものを見つけることになる。
消費文明に乗せられ、隣と同じレベルの裕福さ欲しさに物を求め続け、その結果、心はますます貧しくなり、不安を抱える人間が多くなり、退屈さをしのぐ為に酒やドラッグやタバコやその他もろもろのことに依存するようになる。
そんな時に、悟ること。見えてくること。気付くべきこと。
Nothing satisfies the human spirit more than purpose.
目的を持つことほどに人間の精神を満たすものはない。
自分にとって一番大事な日。それは、自分の誕生日。なぜなら、何かを果たすために生まれてきたから。そして、毎年の誕生日は、どんな目的を持って生まれてきたかを思い出すための日。
留学という人生の一大事をこなしている生徒たち。この時ほど、鮮明に自分が求めるもの、目的が見えてくる時も、人生にそうあるわけではないでしょう。最初の3つの質問にしっかりと向かい合って欲しいですね。