Who do you want to be?

投稿日:2013年9月10日

生徒たちを誇りに思うことがたくさんあります。

そのうち、特に感動するのは、真剣に生きている姿です。

邁進しているのも、思い悩みながらも、試行錯誤しながらも、壁にぶつかりながらも、困難に遭遇しながらも、大学や大学院で、職場で、家庭で、みんな真剣に生きているということです。本気で自分に向かい合っている姿が実に美しいのです。

例えば、卒業生たちは、大学の名前に惹かれてではなく、自分がしたいものが勉学できるところを選んでいるので、大学が勉学の場であることを当然のこととして受け止めています。真剣に取り組むだけでなく、大学が提供する以上のものをさらにいろいろな場や活動を求めてどんどんと世界を広げていきます。学問だけでなく、アルバイトをして、自分のお金で海外を旅行したり、発展途上国でボランティア活動に従事したり、海外でしかできない研修に参加したりする卒業生たちがたくさんいます。

そんな一人からすてきな便りが届きました。大学後の進路に関していろいろなことを逡巡し、新しい分野の挑戦を常に自分の中に広げてきています。今は、夏休みを利用して、海外で研修を受けています。英語という道具があるので、そういうことが自由にできるのでしょうが、今回が始めてではありません。思い切り飛び出し、新しい体験を積むごとに交流する世界が広がり、そして、自分の中身をさらに濃くしています。

その便りの中に、とても印象的な言葉がありました。

 「やめる勇気を持つことも大切でした。たくさん悩んで、私のために決めました。だから、もっと情熱を感じるものを選んで全く後悔していません。自分を信じて、周りに流されずに決断できたことに誇りを感じます。」

卒業生のこんな言葉は、本当に感動的です。

すでに決められていた道を振り切って、別の道に進むということは、簡単なようですが、非常に難しいことです。

やめる勇気。同じ勇気でも、飛び立つ勇気だけでなく、やめる勇気というのもあるのですね。人間は、惰性の中にいるのが一番らくです。何もしなくていい。意識しなくていい。努力しなくていい。でも、心は泣いている。それなのに、それも無視。

一度決めたこと、やり始めたこと、今までやってきたことは、それが成功の見込みがなくても、なかなかそれを止めることは難しいことです。戦争とか制裁とか、同じ間違いを人間は何千年も繰り返しています。それでも、やめることができないのです。国を武器で武装することもやめられません。砂糖の弊害はわかっています。でも、やめることはできません。原発の怖さはいやというほどわかっています。でも、それをやめることはしません。タバコの害はわかっています。それでもやめない人たち。

やめることには、新しく始めるよりももっと努力が要るからかもしれません。「コンコルドの誤り」という事例通り、精神的に、そして、それまで自分の時間や金銭を注入してきたからこそ、続けても、決して成功しない、むしろ、損失、失敗に終わることがわかっていても継続せざるを得ない状態にある人、事が、いったいどのくらいあるでしょう。大きな企業も、国家も。そして、個人も。

すべての決断は、個々に帰するものです。その決断の連続が、その人のなり、人格を作り出していきます。自分の人生を歩むことの高揚感が伝わってきます。

すてきな言葉と勇気をありがとう!

 

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