発想の転換
投稿日:2013年9月15日
奇跡としか思えないことが展開しています。
アメリカがロシアの提案を受け入れたことです。複雑なシリア情勢に関して、アメリカが軍事行動を抑制している、外交で解決しようとしている、それもロシア主導で。
あれだけ、ロシアや共産主義を毛嫌いしているアメリカが、ロシアの提案をのんだ。ヤルタ会談以来、お互いに一切信頼を置こうとしなかったソ連とアメリカ。ソ連とイギリス。そのアメリカがロシアの提案に信頼を置いてみようという今までなら到底考えられないことが起こっています。裏に何があるのかはわからないとしても、表に見えていることは、まさに奇跡です。
イラク戦争の教訓から世界が学んでいるのか、それとも、軍事行動を辞さないといいながらもそれを回避できることを望んでいるオバマ大統領だからこそなのか。いずれにしても、何でも制裁、軍事力で解決する方法から、一緒に解決しようという方法が取られることは、発想の大転換です。仮にそれが時間がかかる作業であっても、結果がどうなるかわからないとしても、新しい流れを世界情勢の中に注ぎ込むことになりそうです。
制裁、軍事行動が、何のメリットももたらさないことは、世界はもう十分に知っています。だからこそ、この方向転換は、本当に世界が変わっていく大きな気運を促すものになるかもしれない、という希望が持てそうです。
北朝鮮の拉致問題だって、「やれ! やらなきゃ制裁だぞ!」という姿勢から、協力して解決できる方法がないだろうかという姿勢に変えたら、いろいろなことが変わってくるのではないでしょうか。一度、硬直した関係が動いた瞬間がありました。それは、当時の小泉首相が北朝鮮を訪問し、直談判をした時です。顔と顔を合わせて言葉を交わし、交渉した時です。
韓国のことも、中国のことも、なぜ、もっと近い距離で話をしようとしないのでしょう。市民同士は精一杯協力し合っているというのに。
外交問題は、国のトップ同士が近い関係にある時には、両国の関係もいいものになります。でも、トップ同士のつながりが無いと、関係はスムーズなものにならなくなります。国家運営もみな人間がすることです。人間の根本における理解が叶えば、それは、国の関係や世界情勢にも当然いい形で反映されます。後ろでいろいろな利益のために動く人々がいることで物事は難しくなってしまうのでしょう。サンクトペテルブルクで開催されたG20サミットで、オバマ大統領とプーチン大統領がすばらしい笑顔でガッチリを握手を交わしている写真は、至極印象的な場面だったのですが、今にして思えば、あの時に、平和解決への道が二人の間で話し合われていたのではないかとついつい思いたくなるほどです。
インドでも奇跡に近い事が起こっています。インドでは女性がレイプされるケースを後が絶たず、数からすると20分に一人(CNNのニュースでの数字。どこから来ているのかはわかりません)の割でレープされているということ。それは、公にわかったものだけで。4分の1の数の女性がレイプされているという数字も出てきました。今までは泣き寝入り。それが、昨年12月にバスの中で4人の男たちに乱暴され亡くなった女性のできごとで国民が立ち上がり、レイプに関する処罰や取り扱いの法の改正が行われ、4人の男たちに死刑の判決がくだされました。このことが、女性の安全、権利を守る方向に少しでも近づけることができるのではないか、ということです。ソーシャルネットワークで一般の人々が情報を得て、結びつくようになってから社会は大きく変わってきています。
女性がレイプ対象でしかない存在から、男性同様に尊重し守るべきものという意識を植え付けることができれば、これも大きな発想の転換です。
例えば、病気を治すことから、病気にならないように予防するというのも発想の転換です。
個人のレベルにもってくると、当たり前だと思ってやっていたことに問題がありと気づいた時に、覚醒が起こり、そこから発想の転換ができるようになります。行き詰まっている時に、同じ方法で繰り返してもちっとも進歩が無いと気づいた時に、 はたと考え込み、そこから発想の転換が起こるかもしれません。人間は、物事が上手にいかないと、さらにもっとがんばってみようと、同じことを繰り返しがちです。自分が未熟なのだと。しかし、それが何度も続くのであれば、もしかしたら、その方法はまったく効果的でないのかもしれません。あるいは、その方法は、自分に向いた方法ではないのかもしれません。
そんな時、それに気づくと、覚醒し、そこから、違った方法を考えつくかもしれません。
「押してダメなら引いてみよ」という言葉があります。
押す事と引く事は正反対の動きです。これも、発想の大転換です。
勉強の仕方にも同じことが言えます。教科の学習というのは方法論がもう確立してしまっていることが多いので、言われた方法で、あるいは、今までみんながやってきた方法で学んでいくのですが、でも、それを自分のものにしていく過程では、みんながみんな同じ方法で同様の効果を得るとは限りません。同じ事を習っても差が出てくるのは、どこかの時点でその方法が合う人と合わない人がいるということです。
必ず自分にあった効果的な学習方法があるはずです。工夫してみたら。方法を換えてみたら。
その方法を見つけることができたら、抜群の効果を発揮することでしょう。
さて、発想の転換、やってみませんか。新しい世界が見えてきますよ。