自分を大事にする意味(2)
投稿日:2013年10月10日
自分を大事にする、ということの続きです。
これは、勉学での成功、自分の夢の達成、周りの人々との良好な人間関係、幸せと感じられる度合い、レジリアンス(困難から立ち上がる力)、生き甲斐、人生の満足度など、生きていることのすべてにつながりますので、少し、これに紙面を費やしたいと思います。
昨日は、食品のことに触れました。今日は、その続きで、同じく体内に入れるもの、薬について触れます。
日本は、「薬天国」だという言葉をしばしば耳にします。ちょっとした風邪、ちょっとした腹痛でも、すぐに薬。病院に行けば、処方箋。薬を飲んで副作用があると、さらにそれを押さえる薬、などなど。
薬の販売がネットで解禁になったら、どういうことになるのか。。。 でも、薬の服用は、日本だけでなく、オーストラリアでも同じことです。アメリカでは、医者が何重にも処方する薬を飲み続け、飲み過ぎ、飲み方の間違いなどで死んでしまう人が後を絶ちません。
私の友人は、ある病気の治療のために注射を受け、その後、その注射の後遺症で何年も苦しんでいます。特別なものではなく一般に行われている治療方法で、副作用があり、ひどい例も稀にはあると説明されたということです。でも、説明のほとんどは、治療と進行を止めるためには、これが効くというもの。それは、病気になった人が一番聞きたいことでしょう。注射後の数週間の副作用はとてもひどいものでした。それに対するドクターの反応は、「あなたの副作用は、特別なもので、稀にみるものです。でも、薬というものは、どんなものでも、すべて毒だということは知っていたでしょう?」というものだったそうです。
一旦体内に入れたものは、尿や便と一緒に放出されるもの以外は、もうどうにもなりません。体のどこかでそれが体内の組織に害を与えていても、もうどうにもできないのです。だから、また、もっと別な薬を、それもいろいろなものを体に入れなければならないことになります。通院が生活の一部を占めるようになっていきます。
ワクチンも同じです。今、日本では、子宮頸癌予防ワクチンの副作用、弊害が問題に成り始めています。将来子宮頸癌にならないように、十代のうちにワクチンを射っておきましょう、という発想自体、急ブレーキをかけたくなるようなものです。でも、それが、政府や学校から奨励されたら、そして、医者から奨められたら、ほとんどの人々は、ああ、すごい、いいこと、ありがたい、と思ってしまいます。数年前、ある女子校で、全員にそのワクチンが奨められたことがあります。それも、無料で。受けなかった人は少数だったと聞いています。
なんて危険なことを率先して奨めるのだろうと当時思ったのですが、名門私立校の社会的に名を馳せた有名な校長先生が、「すばらしいもの。医学はここまで進歩しているのです。未来の懸念を取り除きましょう」と推薦したら、誰もが自然に信じたくなりましょう。数年後に問題が表面化してきても、もう、どうにもならないのです。あの時に奨められたから、と言い張っても、最終的な決断をしたのは、保護者と本人なのですから。
若くしてアルツハイマーに罹った友人がいます。両親ともが医者の家に生まれ、十代半ばから睡眠薬や精神安定剤なるものを簡単に与えてもらっていたということでした。病気になる前は、「薬がないと不安」だとよく言っていました。特殊な例なのかもしれません。でも、まだ、十代、二十代にある人たちが、ちょっと眠れなくなると睡眠剤を飲むという話を聞くたびに、薬を使わずとも眠れる別の方法を考えてみることを勧めたくなります。
ずっと以前にサプリメントの錠剤を奨められたことがありました。その人は、健康の秘訣はサプリメントにありと信奉していたので、1日にいくつもの違う種類の錠剤を大量に、何種類も飲みます。もうそろそろ10年にもなるでしょうか。その人は、今、体中にいろいろな疾患を抱えるようになってしまっています。私は、その際に丁重にお断りしたことをありがたく思う今です。サプリメントはあくまでも補足で、健康の基礎となるものは栄養が整った毎日の食事です。
オーストラリアでは、今、スーパーマーケットの棚にある痛み止めの錠剤の使用過多で体がガタガタになってしまっている人々が多いことが問題視されています。特に、薬の弊害についてほどんど情報も知識もないアボリジナルの人々のコミュニティで、如何に被害が甚大か、そして、深刻か、ということの調査と報告が発表され政府の意識が急速に覚醒され、なんとか販売規制できないものかと法案の検討に入っています。その一方で、テレビは、同じ種類の薬の乳児用の痛み止め、解熱剤の宣伝が出ています。病気になった赤ちゃんにそれを飲ませたら、まるで魔術のように赤ちゃんが元気になるような。赤ちゃんが病気になれば、お母さんはどんな助けでも欲しくなるでしょう、そんな脆い心理の中に、スパッと入り込んでしまうような宣伝。その中身に毒があることなど、誰が言いましょう。
人間の体は、本当にすばらしいものです。どうしてこんなにすごいのだろうと、知れば知るほどに(まったく知らないと言っていいくらいに無知なのですが、それでも、どの部分をとってもその精巧さ、そして、全体としての機能や能力のすばらしいさ)不思議でたまりません。どうして、こんなにすごいものが存在するのだろうと。
誰もが両親から貰い受けたこのすばらしい器、大事にするのは、私たち一人一人の個人です。
薬、タバコ、お酒、ドラッグ、そうしたものすべてを含み、自分の体に何を入れるのか、高い意識を持ち、入れてしまう前に、考えることが大事です。選択の判断は、すべて一人一人の手にあります。そして、ここでも自制、自律が必要です。簡単なことではないですよね。