イギリス紀行 1
投稿日:2013年10月18日
人生は、旅の連続です。
小さな旅(journey)を重ね、人生そのものがひとつの壮大なjourneyとなります。
高校生の時にシドニーに旅して、ICETのプログラムの中で心の旅を続け、卒業した後、若者たちは、再び旅立っていきます。新しい人生の旅に、そして、世界の別の国々を訪れるという旅に。
そして、それが物理的なものであっても、心の中だけのものであっても、人間は、旅、journey、を重ねるごとに変化、変身、成長していきます。
日本を再び離れるのは、通常は、大学生になってからですが、帰国早々、別の国に旅をした卒業生がいます。それだけでも珍しいのに、こんなふうに瑞々しい若者の感性で、パッションと躍る心の様子を綴ったものが届けられるのは、本当に特別なことで、できごとの一瞬一瞬がまるで一緒に体験しているかのように感じられます。
以下、三村大輝君のイギリス紀行です。
・はじめに
ICETでの留学終盤、これまでの総括のようなホームルームが行われた時に、 「新しいjourneyの合図が聞こえたなら、迷わず飛び込みなさい」 という言葉を、もしも聞き逃していたなら今回のイギリス留学はなかっただろうと思う。
・チケット
イギリスへの短期留学、ネイティブ講師による留学事前学習、帰国後に行われるIELTS対策教室、すべてを含む 実質の費用のほとんどは大阪府持ちで参加できる、元大阪府知事の橋本市長の考えたグローバル人材育成プログラム。このプログラムのこの内容を知ったとき、私は大興奮の万々歳だった。なぜそんなにも喜んだかにはもちろん理由がある。
そもそも私はそんな破格の留学などとは露知らず、学校で配られた「海外短期留学」という粗末で出来の悪い誰も目に留めないようなプリントに不思議ながらに惹かれたことがきっかけで、そのモノクロの安っぽいプリントを握りしめながら、わざわざ校舎の違う職員室まで赴き留学担当の先生を探し出し、 あのプリントの詳細を教えてくれと頼んだ。しかし配布した本人すら内容を詳しく知らず、心逸る私は自分の力でどんなものなのか調べ上げた。そして、やっとの思いでこのプログラムの全貌を理解することができ、それが耳を疑う耳寄り情報だったから大喜びしたのだ。
しかし、何が私をこんなにも情熱的に動かしたのかを振り返った時に、喜びの第二波が流れ来る濁流のようにやって来た。留学の情報を探し回っていた私の心の中には常に、あの 「新しいjourneyの合図が聞こえたなら、迷わず飛び込みなさい」という言葉があった。だから私は教室でも廊下でも職員室の中ですらも、journeyだjourneyだと興奮気味につぶやいていた。だから私は、新たなjourneyを求め、脇目も振らず、あの言葉を信じて学校中を走り回っていた。その原動力の根元は、あの言葉を信じた自分の純粋な情熱の炎である。私は、じわじわとそんな自分を誇りに思い始め、ひとつのことを信じて行動できた自分を賛美し喜んだ。 さらに同時に、私にあの言葉を教え、ここまで導いてくれた人への感謝という出所の分からない喜びもわき上がって来るのを感じた。
言葉の目には見えない力のおかげで、私はイギリスへの ”journey”のチケットの在りかを喜びと共に見つけることができたのだった。目的地までのチケットを見つけたら、次はそれを買わなきゃならない。
以上、「イギリス紀行」第1回目でした。続編がすぐにも読みたくなります。これは、彼の物書きとしてのデビュー作なのでは。。。