19年目の評価

投稿日:2013年11月6日

 ICETは、1995年にこの名前で、今の形で設立されました。

どこの学校も同じように、ICETも、たくさんの法的な管理下に置かれています。オーストラリアの連邦政府、NSW州政府、NEASという英語教育のクオリティを司る政府の代理機関、その他、生徒を守るためのいくつかの法的な管理局の審査を定期的に受けます。

11月6日に、NEASという機関の審査がありました。

100項目近いリストを元に、約3時間ほど審査官の面接が行われ、ICETの運営のすべての面においてのチェックがありました。実施数ヶ月前に、記入すべき書式が送られ、質問に対する答えやそれを裏付けるための書類などを送付し、その用意に毎年相当な時間を必要とします。審査官は、一字一句読んできている印象がありました。現場での審査は、紙面にあることがすべて本当に実施されているかどうかを確認するためのものです。

オーストラリアの連邦政府は、海外からの学生たちに質の高い教育を提供できるよう、様々な条例を定めています。特に、Quality Assuranceと称して、質の内容を確かなものとする政府の強い姿勢は、2011年の終わりから始まった改革に明確に反映され、2012年の半ば頃からは指針ではなく、法的強制となり、提供している教育内容すべての分野や面に関して次から次と書類の提供が求められ、それらに応えられない学校や求められるレベルに満たない学校は、すでに、消滅してしまっているところ、指導の手が入っているところが少なくないと聞きます。

NEASは、英語教育を専門に提供している大学の附属部や語学学校を含めオーストラリア全土で200校以上を管理し、連邦政府の代行として英語教育のクオリティが高いものであるかどうかの見張り番をしているところです。NEASにプログラムを認可され、NEASのロゴがあるということは、その学校で提供されている英語教育プログラムは一定の質のレベルをクリアしている、ということを示すお墨付きの印です。

毎年、定期に提出を求められる書類があり、毎年、何週間かは、その準備に費やされます。ICETの場合には、未成年対象のプログラムですので、創立当初から、生徒の安全や福利に関しては、NEASが定めるレベルを遥かに越したもので、ずっと優秀プログラムと見なされてきていますので、現場での審査は、ほぼ2年か3年に一度の割です。政府主導のQuality Assuranceの観点からの審査は、これが初めてのものです。

審査が終わり、いただいた言葉が、「模範的なプログラムである」「ICET is unique 」「誇りに思うべき」「こんな教育の仕方があることを、次のNEASの全国大会で発表してもらえないだろうか」というものでした。

「ユニーク」というと、ちょっと変わっているとか、普通と違うというニュアンスが日本語にはありますが、英語でuniqueと言ったら、「ほかに類のない」「唯一の」という意味になります。

ICETのプログラムの何に対して、こういうコメントをいただいたかを簡単にまとめると次のようなポイントです。

* ICETとDHSの2つの学校のプログラムが完全に合体したまったく独自のものであること。ICETの生徒たちが、DHSという現地の学校の生徒としてすべてのメリットを共有しながら、同時に、充実した英語学習を履修していること。

* 十代半ばの子どもから大人に移行していく極めて繊細な時期であるがゆえに、ICETの教育プログラム全体がすべての分野において人格を育てることを軸にしてまわっていること。

* 留学前の面談から始まり、留学後の精神的なケアまで、年間を通じて、生徒のウエルフェアのケアが配慮されていること。

* 点数を得るための学習ではなく、学習の喜びを知り、学ぶことの楽しさを知ることが学ぶ意欲になることに重点を置いていること。

* 生徒一人一人へのサポートが提供されていること。

* 参加者が未成年なので、学校とホームステイ、生徒の24時間の安全体制・福利が確保できる体制が敷かれていること。

* ホームステイが宿ではなく、家庭であることが前提となっていること。

* 授業が、アカデミックなニーズを満たしながらも、生徒のニーズに合わせて流動的であること。

* 独自の教材の開発、使用している教材や方法が、生徒の勉学意欲をより刺激するものであること。

* 先生たちがその道の第一線に立っていられるよう先生たちのための研修が充実していること。

* プログラム全体が、言語学習が文化の体験に裏付けされるように工夫されていること。

* 活動や野外研修、行事がふんだんに用意されていること。

* ブログにより日々の活動の様子など、様々な情報が保護者に提供されていること。

* 生徒たちの声を拾い上げる方法がプログラム全体に網羅されていること。

などが、ポイントです。

ICETの理念そのものは設立当時から変わっていないのですが、オーストラリアの政府が新しく定めてきた指針に沿って、そして、それを管理浸透させる人々の視線から見て、客観的に、ICETのプログラムがこのように評価されたということは、とても嬉しいことです。これで、私も手前味噌ではなく、大手を振って、次のことが言えます。

卒業生には、こんなプログラムで学習したことを誇りに思ってください、と。そして、その誇りを大学での勉学に、仕事での志や業務にぜひとも活かして欲しい、と。

現行生には、そういうプログラムで学習しているのだから、一生懸命、勉学に、オーストラリアの人々との交流に、視野を広げるために、ここで提供されることのすべてを身に付けていって欲しい、それも、誇りを持って、と。

そして、これからICETのプログラムに参加する生徒たちには、ICETのプログラムに参加できることは、とても幸運なこと、だから、オーストラリアで出会う人々を信頼し、思う存分オーストラリアの生活に飛び込んでください、そして、できるだけのものを身に付けるぞ、自分に誓って留学に出てきてください、と。

私には、ここに至ったことを感謝したい人々がたくさんいます。

まずは、卒業生、そして、現行の生徒たち。過去約20年に渡り、日々の挑戦を受け止め、自分を大きく成長させてきた生徒一人一人の努力があってこのプログラムは、ここまで成長してきました。本当に皆さんのお陰です。

遠くにいて見守りながら、応援してくださった保護者の皆様。保護者の皆様が信頼を置いてくださったからこそ、ICETの理念を思う存分貫くことができ、その理念を真髄においた教育活動を続けてくることができました。高い成績を修めることのみが成功と見られる傾向の強い教育界において、保護者の皆様からの信頼と応援がなければ、このプログラムがこのような形では存続できなかったことは確かです。

ホストファミリー。たくさんの愛情を注ぎ、いろいろとしてくださるファミリーの存在がなかったら、生徒たちは精神的に安定した毎日を送ることができません。

DHSの学校の校長先生や先生方、そして、生徒たち。諸手をあげてDHSの生徒として歓迎してくださることがなければ、このプログラムは存在しません。

生徒たちを送ってくださる日本の学校、そして、陰に日向にいろいろな面か日本で支えてくださる先生がたに大きな感謝です。

宮島香苗さんとファンワード社の新井様。お二人の協力によるホームページの作成とその維持、そして、ブログが更新できるシステムの構築がなかったら、ICETでしていることを広く理解していただけるようには決してならなかったでしょう。そして、新しい参加希望者に魅力を感じてもらうこともできなかったことです。

最後に、ICETの先生たちとスタッフ。生徒たちに注ぐ愛情、日々の授業にかける熱意、陰で運営の様々なことを支えるスタッフ、ホストファミリーとの間を密につなぐ連携と、それぞれの献身プラス互いに向ける絶対的な信頼と強力なチームワークがあってのことです。今まで、ICETに来てくださった先生がたは、一様にプログラムのためにその理念を貫きながら、献身的な努力をしてきてくださっています。そのお陰で、とてもいいカリキュラムの土台が築かれ、それに続く先生たちが、その強固な土台の上にさらに新しいものを開拓し積んできています。

皆さんに心から感謝の意を捧げます。言葉ではこの感謝の気持ちを到底言い尽くすことができません。

 

 

 

 

 

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