どんなジャーニーだったのでしょう。
投稿日:2013年11月7日
12年生の卒業式を来週に控え、にわかにせわしくなってきました。
来週末15日で最後の授業が終了する1o年生は、最後の試験やまとめや学習の整理に追われています。
今年は、12年生の卒業式と10年生のフォーマル・パーティが同じ夜にぶつかるという取り合わせ。オーガナイザーの意図あってのことなのか会場の都合での偶然のことなのかわかりませんが、残念ながら10年生が12年生を見送ることができません。明日の午後にお別れ会をします。
10年生は、17日には、待ちに待ったケアンズへの出発。22日にシドニーに戻り、あとの2週間は、卒業式/修了式の準備。そして、日本へ帰国です。
11年生は、上と下が両方よく見えるのでしょう、気配りがよく、いろいろ細かく必要とされることにまめに対処していてくれます。ありがたいことです。
今日は、10年生と、今年1年のジャーニーを振り返ってみました。
決意をして大きな夢と希望を抱き、不安もちょっぴりと持って飛行機に乗った1月22日。
すばらしく広い芝生の広がる地で、新しく出会った友達、先生たち、そして、ホストファミリー。ときめきで満ちた生徒もいれば、ホームシックでベッドで涙した生徒もいましょう。突然に囲まれた英語の世界。知らない顔ばかり。すべてが新鮮に見える生徒、とても不安になる生徒。どれもみなごく自然のことです。
学校でのDHSの同級生たちとの出会い。制服や学習用品、学校のダイアリー、時間割などをもらい、新しい学習の始まり。
ここまで来たら、もう一線は越しました。新しい文化に足を踏み入れ、すでに、1週間前に自分が生きていた世界とは、まったく別のものが拓けてきています。引き返すことはできません。
選択授業に行けば、さっぱり何を言われているのかがわからない。自分の意見を言えと求められても、言葉が出ない。留学なんてしてくるべきではなかったと後悔する生徒もいたことでしょう。絶対、わかるようになってやる、と自分に誓った生徒もいましょう。ダンス、ドラマなどは、特に、苦しい日々が続きました。
自分のアイデンティティを真剣に問い始める時でもあります。
水泳大会。Yr 7の合宿。ホストファミリーとのクッキング。8年生とのLanguage Day。スポーツ・カーニバル。シドニー・チャレンジと、様々な行事が続きます。
そして、キャンベラに。「日本人」「日本」「歴史」を痛いほどに感じる時でした。
毎日は、挑戦することの連続。達成感もあれば、重圧に圧倒されることもある。希望に膨らむこともあれば、失意に沈むこともある。
問題にぶつかることも少なくありません。どんなふうにして解決したのでしょう? 一人でじっくりと考える。友達や先生に相談する。ホストの意見を尋ねてみる。上手に解決できることもあれば、できないこともある。解決できれば、そこで自信をつけます。解決にならないと、心が暗く重くなるかもしれません。一挙に自信を失ってしまうこともあるでしょう。
暗闇に向き合ったり、失意に陥ったり、絶望を感じたり、日本に帰りたくなったり・・・ そんな時、友達や先生たちからの励ましや、助言、そして、遠い日本の家族からの励ましは、なによりも貴重なものです。再び、元気になった時、そこには、また、別の世界が広がっていることでしょう。何かを乗り越え、再び、挑戦への勇気に満ちた自分は、また、ひとつ大きく成長していることを感じるでしょう。
そんなことを繰り返している間にも、目の前には、たくさんの行事が展開していきます。
ひたすら走ったFun Run。みんなで力を合わせたSOPA、舞台の上で浴びた観客からの喝采はまた格別。かわいい5年生とのEnrichment Day。英語が自由に話せたら、こんないろいろな国の人たちと交流し、遊び、ディスカッションが出来るんだ、と実感したURA Forum。Day of Hope。Men of Honour。大学のオープン・デイ。
そのひとつひとつで、文化を肌で体験し、文化を通して言葉も体で覚えます。毎日の学校生活の中でのオーストラリア人の生徒たちとの交流。選択授業での仲間や先生たちやホストファミリーとの絆をどんどん深めていきます。
9月にはカウラに行って、先人たちが背負った運命の意味を考えながら、今ある自分に感謝。MDGsの学習やGirls Rising のドキュメンタリーでは世界の実情と格差に愕然としながら、日本という国に、この時代に生まれたことを感謝し、そして、ご両親に今まで以上に感謝の念を募らせました。
10ヶ月経った今、1月の自分とはまったく違う自分を見出しているはずです。そんな今の自分は、この1年の歩みをどんなふうに感じているのでしょう?
ひとつの旅を完結して、子どもたちは、日本に戻ってまた違う旅を始めます。そこでどんなことが予想されるのかは、来週、子どもたちが考えるトピックです。
今日の午後には、Enrichment DayでDHSに来た5年生の卒業式がありました。
自分たちがICETのことをスピーチするんだという女の子二人が、嬉しそうにそのことを伝えに来てくれました。10週間のうち、ICETでの時間が一番楽しかったというので、何がそんなに楽しかったのかと問うと、「ほかのどれとも全く違ったから。そして、全く知らないことを学ぶことができたから」という答えが戻ってきました。DHSに来たら、ICETの生徒たちと毎日会えるわよ、と言うと、「ホント? 早く来たい。あと1年も待てない!」と声を弾ませていました。お姉ちゃんがDHSの10年生で、やはりICETの生徒たちが大好きです。そんな影響があるのかもしれません。
写真は、卒業式に参加したICETの生徒たち。姉妹とのもの。そして、みんなが心地よく寄り添っているのは、Mrs. Zappia。ICETの生徒たちが少しでも具合が悪いと、とても親身にケアをしてくださいます。